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著書「起こることは全部マル!」より一部抜粋しています。

 悩みとは…趣味です
 悩みとは…芸風です
 そして、悩みとは…勘違いです!
 と言い切ったあとの、みゆきエッセイです。

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こんにちは! はせくらみゆきです。
私の仕事は画家兼物書きで、三人の子のお母さんです。
さて、冒頭から、悩みについて、スパスパ切り込んでいるので、さぞかし豪傑かと思うかもしれませんが、決して、初めからそんな人だったわけではありません。かつては、ちゃんと人並みに悩み、苦しんだ日々もあったんですね。

けれどもある出来事をきっかけに、今まで繰り返していた人生パターン―悩み、苦しみ、次へ進む―という成長プロセスではない方法で、人間的成長を図るということを選択したんです。そうしたら、今ではすっかり悩むことがなくなってしまいました。 ここでは自己紹介代わりに、そのきっかけとなったエピソードを紹介したいと思います。

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今から11年前、わたしは脳卒中になりました。原因は過労。
引っ越しと子育て、仕事の締切が重なり、疲れが極度にたまって倒れてしまったわたしは、救急車で運ばれ、気がついたときには、左半身がまったく動かない状態となっていました。
しばらくは、起こった現実が受け入れられず、呆然としていました。その日は引っ越しの前日だったので、とりあえず子どもたちは、実家のある北海道に帰し、夫には予定どおり、横浜から沖縄へと引っ越しをすませてもらい、私はひとり、病院に残ったのです。

ベットから天井を見つめていると、次々と後悔や不安が浮かんできます。
このまま、半身不随で動かないままだったら、子育てや仕事、家事はどうなるのだろう?と心配でたまりませんでした。

さんざん思い悩んだあげくわかったことは、この現実をそのまま受け入れるよりほかないんだな、ということでした。

そして4日後、覚悟を決めて、これからの人生を生き切ることを決めました。まずは静かに目をつぶり、今まで頑張ってくれた自分の身体に意識を向けてみました。そのときに初めて気づいたんですね。
ああ、今まで私は、自分の身体をほとんどいたわっていなかったって。がんばることが美徳とばかりに、どんなに疲れていても、「もっとがんばれー!」とムチばかり打っていたんだなと気づいたのです。

そのことを思うと申し訳なくて……。
身体さん、無理させてごめんなさい。
五体満足で生んでくれたお父さん、お母さん、
ごめんなさいって言いながら、ボロボロ泣きました。

そのうちに、身体の奥から熱いものがこみ上げてきました。
まるで細胞ひとつひとつが
「それでもあなたのことが
 大好きなんだよ」
そう言ってくれてるみたいに。なんともいえないその感覚が全身をまるごと包んだとき、今度は別な感情がこみ上げ、涙がこぼれおちました。

それは、感謝!

今、こうして生き、生かされているということの喜びと、
こんなにも愛されていたんだという驚きで、なんとも言えない気持ちになったのです。あのときは、ただただありがたくて、泣けてしょうがありませんでした。そして、今までがんばってくれた自分の身体ひとつひとつの部位に、心からの「ありがとう」を告げていったのです。
「脳さん、ありがとう」「神経さん、ありがとう」……ってね。伝えるたびに、瞳の奥に、ものすごい速さで回転する、光と色の渦が見え、いつのまにか深い眠りについてしまったのです。

翌朝、私が体験したこと——
それは、脳卒中そのものが
消えていたという事実でした。

半身麻痺もなくなり、手足が自由に動けるようになっていました。その後、いろいろな検査をしましたが異常なし。 というわけで、医者から奇跡と言われた私は、ほどなく退院できたのでした。

復帰したとき、ほんとうに身体のすみずみから、喜びがあふれました。
思ったとおりに手足が動かせること、歩けること、利き手でご飯が食べられたり、字や絵が描けることが嬉しくてたまりませんでした。

その時から、
私は後半の人生をお祭りにするぞ、
って決めたのです。

そして、がんばるのではなく、楽しもうと思い、
これからは○○しなくちゃならないとか、
○ ○すべき、ではなく

もっと素直に心の奥の望みに従って、
魂が喜ぶことをしよう!と宣言しました。

気がつくと、いつのまにか本当にお祭りみたいな人生になってきて、生きるのがとてもラクになったばかりではなく、願ったことが、知らないうちに叶っていることが多くなりました。どうも、心がもつエネルギーには法則性があるようです。
それは「認めたのは膨らんでいく」という法則。私がかつてがんばることを美徳として人生を送っていたとき、起こってくる現実は、もっとがんばれ〜、やるんだ〜、負けるな、進めーっ! といった状況ばかりでした。

そのあとで、心の奥が喜ぶことをする、
という価値を置く人生を歩き始めたら、
日々の何気ない中にも幸せがいっぱい広がってることに気づき、
なんだか楽しくてたまらなくなってきました。
心の持ち方ひとつで、こんなにも変わるなんてビックリでした。

喜びのなかで生きるのだと選択する。
こう決めた瞬間から、
新しいステージは幕をあけました。

これが、今のわたしへと続く道です。

いずれ時が来て、息をしなくなるその瞬間まで、
私たちは、この世界を喜び、怒り、悲しみ、楽しむことが出来ます。
その一つひとつが、なんというありがたきことか。
生きているからこそ、味わえるさまざまな体験、感情、身体感覚…。

この世界で体験することのできるすべてを、味わい、楽しみ、生き切る!
ただ、そう決めただけです。

読んでくださり、ありがとうございます。